ふるさとセミナー

 

 今月も故郷に帰る鮒煮かな

六月十一日(土)、
秋田県立図書館の主催で行われた
「秋田ふるさとセミナー」に行ってまいりました。
講師は『龍の星霜 異端の劇作家 青江舜二郎』の大嶋拓氏。
当初、聴講生の一人として参加するつもりでしたが、
講演のなかで、
戯曲「河口」「やけどした神様」「干拓」も取り上げるとのこと、
それが秋田方言で書かれていることもあり、
朗読を依頼され、
急遽、お客様の前に立つことになりました。
敬愛する青江先生の戯曲を秋田で朗読できるとは、
こんな光栄なことはありません。
いっしょうけいめいやらせていただきました。
朗読の途中、笑い声や、
「んだ、んだ(そうだ、そうだ)」の相づちも聞こえ、
後押しされるように、
役にのめりこむことができました。
わたしの町からも知人・友人が何人も来てくださり、
ほんとうに嬉しいことでした。
講演で大嶋氏は、
秋田を舞台にした青江の代表的戯曲を取り上げながら、
劇作家の人物像、
とりわけ秋田への複雑な思いをきめ細やかに解説し、
外科手術するような語りでなく、
今も生きて働いている魂により添い、
それをそっと手渡していくような、
すばらしい語りでした。
すぐ横で聴かせていただきながら、
語り手の震えが伝わってくるようでした。

 子なれば亡き師の笑みに似たりけり

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