佐々木さんの言葉

 

 溌剌と初夏の学生歩きをり

編集長ナイ2くんと明治大学和泉キャンパスへ。
電話で申し込んでおいた佐々木幹郎さんの「詩人と旅」の講演会だ。
3.11後の言葉の変容について語る佐々木さんの言葉は、
絶妙の間合いで語られ、
スッと現れては、
胸に沁み、
またスッと現れては、
胸に沁みていく。
気持ちいい。
言葉って、いいなあ。
一時間半があっという間でした。
受講者の質問に答え、
佐々木さんは、
3.11後につくった詩を披露してくださいました。
紙を持ち、立ち上がろうとされ、
立ち上がるとき、
少し体が横にうごきました。
見ていて、ああ、という感じでした。
「明日」という詩でした。
耳を澄ませて聴いているうちに、
目頭が熱くなってくるのが分かります。
人間は、
それでも生きていかなければいけないのかと思ったら、
人間は、
こうやって生きているのですよと、
上のほうへ向かって叫びたいような、悲しいような、
熱い疼きがこみ上げてきました。
講演が終り、
佐々木さんにあいさつをし、
部屋を出て階段に差し掛かったとき、
涙がわっと溢れてきて、
ナイ2くんに気づかれぬように慌てて階段を下りました。
言葉って、すごいなあ。

 紫陽花や柔らかき闇輝けり

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