アラスカ

 

 秋田より山を運びしアイコかな

父が山菜のアイコとミズを送ってくれました。
ミズはミズタタキにして食べるのがふつうですが、
送られたミズは、
ミズタタキにするにはまだ早過ぎるとのことでした。
父のことづてを家のものから聞いたわたしは、
折り返し父に電話。
「どうもどうも。さっき、着いだど。
りなちゃんの運動会の練習で、おれはちょっと外さ出がげでいたがら。
とごろで、ミズはどうやって食うんだ?」
「そうが。着いだが。ミズは皮をむいで軽ぐ茹で、
塩昆布のサザナミどアラスカを交ぜで食うんだ。
昆布を細ぐ切って塩をまぶしたのあるべ、あれがサザナミ。
それどアラスカ」
「なんだそのアラスカって?」
「アラスカはアラスカだべ」
「いや、アラスカって言っても、わがらないよ。
アラスカって、アメリカの州の名前で、食い物ど関係ねーべ」
「ん!? んだが?」
「んだよ。中身を言ってみれ」
「おめーが言ってみれ」
「おれがなんでわがるのさ。アラスカがら連想でぎる食い物なんて知らね」
「ほれ、ピンクの棒みだいなやづで、細ぐ切れる」
「ピンクの棒? 細ぐ切れる?」
「わがらねーやづだな。アマノで買ってくるオードブルさもよぐ入ってるべ」
「ん? アマノで買ってくるオードブルさも入ってる?」
「ほれ、ピンクの。ワサビ醤油付けで食べれば美味しいの」
「ん? ワサビ付けで…? カマボコ? ひょっとしてカニカマが?」
「それそれ。ちゃんとわがるじゃないが。それがアラスカ!」
父なれど、もう少しで、ブチ切れるところでした。
その後、行き付けのスーパーマーケットに行ったところ、
アラスカもあれば、オホーツクもありました。

 初夏なればアイコギンダラ煮付け佳し

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