東西

 

 夜行バス疲れ取るのに四昼夜

二月から読み始めた『南総里見八犬伝』ですが、
ただいま十一巻目。
馬琴先生の文章にも相当慣れた気がします。
作者としての先生の肉声がときどき記されており、
十八世紀後半から十九世紀半ばにかけての人なのに、
とても近しく感じられます。
この世にいない人の文を読み共感すると、
なぜだか寂しさが静まります。
さて、その本文中に「東西」と書いて、
「もの」とルビが振られている箇所がいくつかあります。
なんで東西がモノなのだろうと、
いぶかしく思っていたのですが、
昨日、
民俗学の原稿を読んでいたら、
中国語で手紙がトイレット・ペーパーを表すように、
東西は品物を表すとの記載があり、
アッと目をみはりました。
きのうからまた十回コースの気功教室が始まったので、
休憩時間にさっそく朱剛先生に確認したところ、
たしかに中国語で東西は、
方角を示す言葉であるとともに、
モノを表す言葉でもあるとのことでした。
また「東西」は「人」を表す言葉でもあるらしく、
「不是東西」と書いて、
悪者を指すと教えていただきました。

写真は、ひかりちゃん提供。

 あぢさゐのつぼみふくらむ五月かな

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