地球異変

 

 葉桜を見上げ倒れし土竜かな

龍の星霜 異端の劇作家 青江舜二郎』を上梓した、
映画作家・大嶋拓氏の公式サイト「タクラマネット」のブログに、
モグラの写真が掲載されていて、ギョッとしました。
四十八年生きてきて、
モグラを目の当たりにしたのは初めてとのこと。
氏も危惧する如く、
地球環境の異変を察知したモグラが、
本来、生を全うするはずの住み慣れた土中と別れ、
見えない眼でひたすら突き進んだ先の宙に腹を晒したのだと、
思えてなりません。

GW期間中、秋田へ帰ったら、
地元紙「秋田さきがけ新報」に拙稿が掲載されていました。

 住み慣れし土を逃れし土竜かな

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蛇を食う猫

 

 山菜の神に抱かれ祖母笑ふ

五月は山菜のシーズンです。
年のいった人は、
今年が最後の山菜採りになるかもしれぬと感じながら、
山へ入るようです。
アイコ、シドケ、たらの芽、コゴミ、
山のめぐみを今年もいただきました。
父の運転する車での帰宅途中、
白と黒の斑のある猫が、
道の真ん中で蛇を頭から食っていました。
蛇の体が半分まだ残っています。
飼い猫が野生化したのでしょうか。
キッとこちらを見たときの猫の眼の鋭さは、
たとえようもありません。
シャッターチャンスでしたが、
残念ながら、
カメラもケータイも持っていませんでした。

写真は、秋田県大潟村「菜の花ロード」

 大き鳥わっしわっしの五月かな

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バウムクーヘン

 

 連休を終へて来年計画す

今回、久しぶりに夜行バスで帰省しました。
おみやげは、横浜そごうで買ったバウムクーヘン。
名前を忘れましたが、人気の商品です。
実家のすぐ側の正紀(まさのり)叔父さん宅へも渡しました。
翌日、
孫の陽(よう)君とおばさんが、
おみやげのお礼を言いに改めてやって来ました。
前日は仕事中のおばさんに渡しただけでしたので。
おばさんがバウムクーヘンを切ろうとしたところ、
陽君は、
東京のおじちゃん(わたしのことです)が買ってきた
大事なおみやげだから、
1センチでいいよと言ったそうです。
買って帰ったわたしとしては、
こんなに嬉しいことはありません。
陽君は今、幼稚園の年長さんです。
今年二番目の弟・皓(こう)君が生れました。
すぐ下の弟は創君。
陽、創、皓。三人とも十二画。
三浦の姓には十二画がふさわしい。
その翌日、
また陽君とおばさんがやって来ました。
おばさん曰く、
正紀叔父さんが、
家族のいないときにバウムクーヘンの端を食べたところ、
美味しくて、つい止められず、
一本まるごと食べてしまったのだそうです。
それを知ったおばさんの怒り、推して知るべし!
孫が1センチずつ食べているものを、
箱に二本しか入っていないバウムクーヘンの一本を、
丸ごと食うということがあるものか、
しかもふだん糖尿病で薬を飲んでいる身ではないか。
おばさんは悔しくて、
その夜、なかなか寝付けなかったのだとか。
叔父さんの名誉のために書き加えると、
一本丸ごとといっても、
茶筒のような一本ではなく、
四分の一にカットされた形の一本ですから、
食って食えない量ではありません。
でも確かに、一本丸ごとは多い!
よほど口に合ったのでしょう。

 菜の花や山の麓へつづきをり

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