スーパーブラック

 

 春なれば花粉一つも散らせたい

外を歩いていて大きなくしゃみが二度、三度、
部屋に入ってまたくしゃみ。
これは、いよいよもって花粉症か?
少し不安になりました。
でも、心のどこかで、
いや、俺はぜったい花粉症にならないと思っています。
ぐずぐずする鼻を鏡に映し、
さらに鏡に近づき中までよく見てみたら、
案の定、
きしめんを彷彿とさせる立派な、
黒々した鼻毛が中でとぐろを巻いていました。
親指と人差し指で摘まんで抜くと涙が出ました。
すぐに捨てるのはもったいないので、
洗面台に鼻毛を置きしばらくジッと眺めます。
スーパーブラックな輝きを放っています。
ふむ。
それから水道の蛇口をひねりました。
根が生えたように頑固に張り付き、
なかなか流れていきません。
指でこそげ落としたら、
やっと流れていきました。

 我もまた花粉症かと鼻毛かな

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