良寛さんは大変

 

 灯り点け窓の曇りし四温かな

現在、金沢大学留学生センターの准教授をしておられる
松田真希子さんに案内していただき、
出雲崎の良寛記念館に行ったことがあります。
芭蕉も出雲崎を訪れたそうです。

荒海や佐渡によこたふ天河(芭蕉)

いいところでした。
このごろ懐かしく思い出します。
吉野秀雄の『良寛』はいい本です。
良寛さんについてのわたしの体験はそれぐらいで、
多くは知りません。
でも、良寛さんを思う気持ちは、
自分のなかに大事にとってあるような気がします。
良寛さんには嫌いなものがあったそうで、
書家の書、詩人の詩、料理家の料理というのですが、
書は下手、詩は書かず、料理もさほど、
の人は少なくないでしょうから、
こんなところにも
良寛さんの人気の秘密があるのでしょう。
東京創元社から昭和三十四年に出版された
『良寛全集』上下二巻が三八〇〇円で出ていましたので、
さっそく購入しました。
人間関係に疲れたときなど、
こころはどうも良寛さんに向かいますから、
あこがれのオーラをまとわされ、
良寛さんはなかなか大変、休む間もありません。

 交差点歩幅十ミリ四温かな

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