まるます家

 

 肌白きネギたっぷりのダダミ汁

きのうここで、
久住昌之原作、谷口ジロー作画『孤独のグルメ』【新装版】
のことを取り上げましたが、
ブックデザインに、
長田年伸くんが関わっていること以外に、
もう一つ驚いたことがあります。
この漫画は、
輸入雑貨の取り引きを生業としている主人公
井之頭五郎が仕事の途中、
土地土地の食べ物屋に入りその店の料理を楽しむ、
簡単に言えば、
そういった内容の漫画です。
その第4章「東京都北区赤羽の鰻丼」。
ん!?
と思ってページを開くと、
スズラン通りに向かう一角が
細密画のように描かれており、
取材して描いていることは一目瞭然です。
なぜそれがわかるかといえば、
わたしは十年そこで働きましたから
忘れることはありません。
さらにページを開いて、
アッと驚きました。
ま、まるます家じゃん!
朝からやっている店で、
メニュー豊富、
朝からアルコールも飲めます。
赤羽時代、何度か通ったというだけでなく、
新しく出版社を起こそうと決めたのが、
まるます屋でした。
まるます屋の二階で、
「よし。出版社を作ろう!」とおだを上げたのです。
春風社という名前はその時まだありません。
こうして漫画に取り上げられてみると、
たしかに変った面白いお店でした。
これを機会に、
久しぶりに行ってみようかな?

 皺皺のダダミ汁より湯気立てり

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