多聞展

 

 手を広げおいでおいでの薄かな

春風社のアートディレクターともいうべき
矢萩多聞さんの個展が久しぶりに東京でひらかれます。
わたしが多聞さんに初めて会ったのは、
髪が腰まであった多聞さん十九歳、
春風社の設立に向け準備をしている頃でした。
二十歳の記念の意味をこめ作ったのが、
『インド丸ごと多聞典』です。
これが彼にとって初めての装丁の本でもあります。
あれから十一年。
今は、装丁家として押しも押されぬ人になりましたが、
核にあるのが画業のはずです。
いま彼がどんな地平に立っているのか、
興味の尽きないところです。
春風社の装丁のエッセンスは、
多聞さんの絵にあるといっても過言ではありません。
興味のある方は、ぜひお運びください。
10月14日(木)から19日(火)まで、東京都文京区の谷根千〈記憶の蔵〉
詳しくはリンク先をご覧ください。ここ

 たおやかに闇に浮びし薄かな

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