番楽を観る

 

 雨の中を慌て飛びゆく鬼ヤンマ

写真家の橋本照嵩さんと秋田へ行くことになり、
それはとても楽しみなのですが、
急のことなので、
新幹線のチケットが取れるか心配しました。
が、
運よくチケットが取れ(!)、
「こまち1号」で一路秋田へ向かいました。
一日置いて13日、
能代市二ツ井町飛根(富根)の愛宕神社境内は、
台風一過、
大きな欅の木々から木漏れ陽が降り注いでいました。
午前中は、子どもたちの舞。
昼は演者、スタッフ、観客合同の「きりたんぽ」食事会。
午後からは、いよいよ大人たちによる舞です。
手の返し、指の表情、腰のシナに、
何百年と伝承されてきた
言葉以上の喜びと祈りが籠められているようです。
それが観るものに伝わってきます。
橋本さんは、コマのように動き回り、
汗だくになって、
カメラのシャッターを切っています。
最初、ぽつぽつと寂しかった客席が、
いつの間にかいっぱいになり、
最後の「山ノ神舞」が終ると、拍手喝采が沸き起こりました。
本来は九月に行われたということで、
豊作を感謝し、
一年の労をねぎらうことの意味を知る一日になりました。

 墓参り破れて滑る時空かな

100813_1433~0001