謎解き「秋田蘭画」

 

 春風に脚をさらわる寒風山

神田かるちゃー倶楽部・明神塾
「江戸のミステリー 源内・直武―江戸・秋田」の二回目は、
秋田県立近代美術館の山本丈志さんを招いての講義
「直武と秋田蘭画」及び塾長・田中優子さんとの対談でした。
忘れられた絵師であった直武が明治二十年代に、
秋田の画家・平福百穂(ひらふく ひゃくすい)によって
再び世に知られるようになったこと、
そして何より、
直武の絵に隠された謎解きの一時間で、
眠くもならず、
わくわくしながら聞き入りました。
直武が全国区になったきっかけは、
平賀源内が銅山開発指導のために秋田を訪れたこと
(その時、源内が直武の画才を認める)ですが、
講師の山本さんは、
源内が訪れた阿仁の生まれとのこと。
山本さんは調べているうちに、
源内が当時歩いていたであろう土地で
自分が子ども時代を送ったことを知ったそうです。
また山本さんは、
秋田大学教育学部を卒業されていますが、
秋田蘭画を知るそもそものきっかけになったのは、
大学で武塙先生からスライドをみせられたことだったとか。
山本さんは、武塙先生としか仰いませんでしたが、
武塙先生とは、おそらく、
井川町出身の先達・武塙祐吉(三山)のご子息
武塙林太郎氏に間違いないでしょう。
自分の人生で何をするのか、
見えない糸が織り成され、
そのなかで生かされていることを
山本さんの話を聞きながら感じさせられました。

 入道崎海の時間の停まりをり

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