日本図書館協会選定図書

 バチバチと天の馬尻の破れたり
漢字ばかりで、強そうな名前ではありますが。
日本図書館協会から任命された専門分野の選定委員
50名が、一冊一冊に目を通し、
公共図書館に適している本を選びます。
年間6万点以上の新刊本のなかから
平均16パーセントの書籍が選定図書に選ばれます。
ところが、昨日、日本図書館協会に確認したところ、
春風社の本で、これまで選定図書に選ばれたのは
97冊あり、割合としては33.3パーセント、
イチローの打率に肉薄する勢いであることが判明しました。
順位までは教えてもらえませんでしたが、
相当上位であるとのことでした。
(ひょっとして一番!?)
この数字は、誇りに思っていい数字だと思います。
図書館はなんといっても、
本が多くの人の目に触れる場所です。
そこに置くのがふさわしいと、
それぞれの道の専門家が判定してくださったのですから、
ありがたいことです。
イチローの打率を意識しながら、
これからもがんばります。
 雨風にぶん回されし鬼ヤンマ

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土こそ薫れ

 雨流れ山の緑の極まれり
土井晩翠が作詞をした秋田高校校歌の三番の歌詞に、
「篤胤 信淵 二つの巨霊 生れし秋田の土こそ薫れ」
とある。篤胤は平田篤胤(ひらた あつたね)。江戸後期の国学者。
信淵は佐藤信淵(さとう のぶひろ)。江戸後期の農学者。
二人とも秋田の生まれだ。
本の出版のことで訪ねた秋田のノースアジア大学は、
佐藤信淵を建学の精神・学祖と仰いでいる。
創立は1953年。
「秋田魁新報」に掲載されたわたしの文章
「出版社は絶滅危惧種!? 本離れが進む時代の出版人の思い」をノースアジア大学の理事長・学長である
小泉健氏が読んでくださり、お問い合わせをいただいた。
理事長のお話を承り、
また親しくお話をさせていただいた後、
持参した「目録新聞」の束をお目に掛けると、
すぐにその場で秘書の方に、
「魁」の記事のコピーと「目録新聞」を先生方へ
配布するようにご指示くださった。
ありがたかった。
一晩実家に泊まった翌日、つまり昨日、
父の話によると、しばらくなかったほどの大雨になった。
天のバケツが破れでもしたかというぐらいの雨が降り、
作物には慈雨となったことだろう。
靄に煙る鮮やかな山の緑とご縁に感謝しながら、
帰りの新幹線に乗った。
 ひたすらに雨をしのいで鬼ヤンマ

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千日間近

 腹黒を雪ぐ術なし百足虫かな
朝晩つづけている気功ですが、
今月二十日で九百日、十月末に練功千日を迎えます。
数字を気にしているようでは、まだまだですが、
シロウトが何か事を始めるのに、
数字は馬鹿にできません。
座禅や瞑想にも、数息観という修養の方法があります。
中国では、十年、二十年気功をつづけるのはごく普通。
三十年、四十年とつづけている人もいるそうです。
そういう人は、どこがどういう風に違うかと訊かれても、
はっきりこうだと指摘することはできないそうですが、
でも、やっぱりどこか違うのだそうです。
寝かせたワインみたいなものでしょうか。
これからどれくらい生きられるか分かりませんが、
こころと体の練成のために、
気張らずに、ながくやっていきたいと思います。
今月は、春風社から二冊目となる
禅密気功師・朱剛先生の『気功瞑想でホッとする』
が刊行されます。気功と瞑想に関心のある方は、
ぜひ手にとって見てください。
今日と明日は、故郷秋田に出張です。
 雲流る汗をかきかきインドカリ

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うれしなみだ

 安眠を喰らひガシャガシャ百足虫かな
先週金曜日、会社帰りに
ケータイ電話で秋田の実家に電話した。母が出た。
こっちの用件を聞く前に、母は、
うれしい知らせがあると言った。
弊社十周年パーティーにご招待しお運びくださった
我がふるさと井川町の齋藤正寧町長が
町の広報誌「いかわ」に記事を
書いてくださったとのことだった。
母は、そのことを父のいちばん下の妹から聞いた。
名前を敏子という。
敏子叔母は、家に配られた「いかわ」七月号に、
春風社十周年パーティーの模様を詳しく
感動的に書いてくださっている町長の文章を読み、
うれしくて、すぐにわたしの実家に電話をした。
電話には母が出た。
うれしい知らせを一刻も早く兄夫婦に知らせたいとの
気持ちからだったのだろう。
その時点で、わたしの実家に「いかわ」は
まだ届いていなかった。
電話に出た母に報告しようとしたのだが、
人一倍涙もろい叔母は、一言も告げられず、
電話口でおいおい泣いたというのだ。
慌てたのは、わたしの母だ。
「なした? なした? なにがあったが?」と、
かなしい知らせかと勘違いし、
叔母を問いただした。
嗚咽しながら切れ切れに話す叔母の言葉を耳にし、
ようやく事の次第が飲み込めた母は、
急いで父を呼び、電話を替わった。
うれしい知らせを自分だけでなく、
父にも直接聞かせたかったのだろう。
実家にも昨日「いかわ」が届き、
さっそく父から電話があった。
父は、ゆっくり大きな声で一言一言刻むように読んでいく。
父の朗読を聞きながら、
齋藤町長のありがたい真心がずんと胸に染みてきた。
噛んでふくめるように読んでいた父が、
最後のほうになって、声を震わした。
それでも父は、歯噛みして読みきった。
齋藤町長の「町長日記抄」は、
ここから入り「広報いかわ」をクリックし
アクロバット・リーダーで読むことができます。
 みずたたき腹の虫まで叩きけり

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GO TO SLEEP

 みずたたく男の眉間の皺二本
自宅で使っているパソコンはe-yama製のものです。
そのメーカーの名前をあまり、というか、ほとんど、
というか、まったく聞いたことがありません。
でも、この日記を書いたり、
インターネットを見るぐらいですから、
基本的にはさくさく動いてくれます。
ただ時々、本体はちゃんと作動しているのに
ディスプレイだけが勝手にOFFし、
ぷわ〜〜〜んと、いかにも眠そうな
GO TO SLEEPの文字が現れます。
なんだよ、勝手に寝るなよと思うのですが、
相手は人でなく機械ですからどうしようもありません。
この日記を途中まで書いているときに寝られたときは、
さすがに腹が立ち、廃棄にしてやるぞ、
と思いましたが、短気は損気なのでぐっとこらえ、
だましだまし使っています。
今日は寝ないで、
このように最後まで書かせてくれました。よしよし。
 みずたたく直立不動の男あり

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なんもなんも

 アンチョビのトマトグラタン糸引けり
好きな秋田方言に「なんもなんも」があります。
「ん」は「に」が撥音化したものでしょうから、
もともとは「なにもなにも」
ではなかったかと思われます。
たとえば、
「先日は結構なものを頂戴いたしまして、
本当にありがとうございました」
というのを秋田方言で言ったそれへの返答として、
「なんもなんも」と言えば、
十分その気持ちは伝わります。
「いえいえ、どういたしまして。
ほんのこころばかりの品ですからお気になさらないでください」
ぐらいのニュアンスが「なんもなんも」には含まれます。
なかなか便利な言葉です。
 埼玉の友ありビールに夜の風

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りなちゃんの別腹

 ミズタタキ青山椒のぴりりかな
ここに何度か登場しているりなちゃんですが、
今は小学二年生。
ご近所なので、遊びに行ったり遊びに来たり。
りなちゃんはときどき面白いことを言います。
朝、お腹の調子が悪くて、
ママに頼んで担任の先生への通信欄に
「体育は休みにさせてください」と
書いてもらったそうです。
でも、もし体育の授業が水泳の場合は、
休みませんとの但し書き。
ママが、
「あなた、お腹が痛いのに水泳できるの?」
と訊くと、りなちゃん、
「いいのいいの。水泳は別腹だから」
お後がよろしいようで。
 青山椒一粒ごとの口腫れる

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