Archives : 7月, 2009

明けたの?

 竹林の揺れて緑の深まれり

今日で七月も終わり、
本格的な夏到来と行きたいところですが、
横浜は曇り時々雨の予報。
梅雨がずっと続いているような感じです。
これでは体もおかしくなりますよね。
こういう時こそ気功をやって、
気と血の巡りを良くしましょう。
背骨ゆらゆら健康法』が参考になりますよ。

 かなかなの止みて常世の日暮れかな

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文章

 酒の香に誘い込まるる藪蚊か

この日記、二〇〇一年三月から始まりましたので、
九年目に入りました。
それでなんですが、たまに必要があって、
むかしの文章を読むと、
恥ずかしくなることしばしばです。
なんというか、分別のつかない洟垂れの悪ガキが
とにかくはしゃぎ回っているような具合です。
そんなにはしゃいでいると、怪我するよと、
若い自分に言い聞かせてやりたくなります。
いま、わたしは時間のこちら側から見ているので、
それがよく分かります。
あちら側からは見えなかったのですね。
そのまま進んで、骨を折ってしまいました。
さて、このごろの文章はどちらを向いているのか。
これも時間が経ち、振り返れば、
なるほどこの方向を向いていたのかとなるのでしょう。

 海水浴気持ちいいのは足湯かな

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 ゴキブリが空き缶ぺろぺろ舐めてをり

このごろ思うのは、
汗がレモン水ならなぁということ。
ソーダ水でもいいか。
そうすれば、のどが渇いたときなど、
ぺろっと舐めて渇きを遣り過ごし、
しばらく持たせられそうですし…。
汗って、掻きはじめはいいのですが、
あとで蝿取り紙のあのいや〜な粘りの感触に
似てきます。
蝿が少なくなって、
蝿取り紙も見なくなりましたが、
子どもの頃、はしゃぎ回っているうちに、
首の辺りに蝿取り紙がべた〜とくっつくと、
なんとも言えず気持ち悪くなったものです。
汗の感触はアレを思い出させます。

 触覚が手旗信号ゴキブリ君

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旅の哀しみ

 竹林の笑ひ涼しき雲見かな

『男はつらいよ』で浅丘ルリ子演じるリリーさんと
寅さんが浜辺で語り合う場面があります。
有名な「寅次郎忘れな草」の一節。
リリーさんは旅から旅への歌い手で、
寅さんから「ちょいとした俺だね」
なんて冷やかされたりもします。
リリー「兄さんなんかそんなことないかな…。
夜汽車に乗ってさ、外見てるだろ、そうすっと、
何もない真っ暗な畑なんかにひとつポツンと灯りが
ついてて、
あー、こういうところにも人が住んでるんだろうなぁー、
そう思ったらなんだか急に悲しくなっちゃって、
涙が出そうになる時ってないかい?」
寅「うん…。こんなちっちゃな灯りが、
こう…遠くの方へスーッと遠ざかって行ってなぁー…
あの灯りの下は茶の間かな、
もうおそいから子供達は寝ちまって、
父ちゃんと母ちゃんがふたぁりで、
湿気た煎餅でも食いながら紡績工場に働きに行った
娘のことを話してるんだ、心配して…。
ふっ…、暗い外見てそんなことを考えてると汽笛が
ボーっと聞こえてよ。なんだか、ふっ!…っと、
涙が出ちまうなんて、そんなこたぁあるなあ…分かるよ…」
(引用は、バリ在住十九年の画家・吉川孝昭さんのサイト
男はつらいよ 覚え書ノート」からのコピペ。わたしは
このサイトのおかげでますます『男はつらいよ』が
好きになりました)
そういう、それこそ不意に襲ってくる哀しみは、
旅をしたことのある人ならだれでも、
(長旅でなくても、例えば帰省の列車の中でも)
感じるものではないでしょうか。
寅さんはフーテン、リリーさんは旅芸人ですが、
職業とは別に、旅の哀しさ切なさが人生を想わせ、
万人に共通するものだから、
多くの人々の共感を呼ぶのでしょう。
二人のこの場面、わたしは最高に好きです。

 オレ食ふなアレを食へよと蚊を払ふ

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伊豆旅行

 叔父と来て迷子の夏の淡きかな
ご近所のクルマに同乗させてもらい、
伊豆半島を廻ってきました。
沼津港に程近い市場の活気がうれしく、
そこのお寿司屋さんでいただいたネタの新鮮さは、
格別。
また、修善寺近くの蕎麦屋「やまびこ」でいただいた
蕎麦と天ぷらは、
水質からか、さっぱりと口当たりがよく、
消化にも良さそうでした。
山の天気は変わりやすく、
センターラインだけがぼーっと浮かぶ時間も
ありましたが、二日にわたり概ね天候にも恵まれ、
おかげさまで愉しい旅を満喫できました。
堂ヶ島天窓洞遊歩道から見下ろす海は
コバルトブルーに輝き、しばし時を忘れさせてくれます。
遊歩道の途中にぼっかり大きな穴が開いており、
天井から雫が垂れ、紺碧の海に吸い込まれそうになります。
スカイラインには入りませんでしたが、
帰宅後、秋田の父からの電話で、
四十七年前、出稼ぎでそこを訪れ、
スカイラインをつくる工事に母ともども参加し、
寝泊りしながら仕事をしたことを聞かされ、
父もあの山の空気を吸い、富士を見たことであったかと、
感慨も一入。
kuhさん、まるちゃん、ひかりちゃん、りなちゃん、
ありがとうございました。
 雲走る砂浜人も翳り行く

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。