明けたの?

 竹林の揺れて緑の深まれり

今日で七月も終わり、
本格的な夏到来と行きたいところですが、
横浜は曇り時々雨の予報。
梅雨がずっと続いているような感じです。
これでは体もおかしくなりますよね。
こういう時こそ気功をやって、
気と血の巡りを良くしましょう。
背骨ゆらゆら健康法』が参考になりますよ。

 かなかなの止みて常世の日暮れかな

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文章

 酒の香に誘い込まるる藪蚊か

この日記、二〇〇一年三月から始まりましたので、
九年目に入りました。
それでなんですが、たまに必要があって、
むかしの文章を読むと、
恥ずかしくなることしばしばです。
なんというか、分別のつかない洟垂れの悪ガキが
とにかくはしゃぎ回っているような具合です。
そんなにはしゃいでいると、怪我するよと、
若い自分に言い聞かせてやりたくなります。
いま、わたしは時間のこちら側から見ているので、
それがよく分かります。
あちら側からは見えなかったのですね。
そのまま進んで、骨を折ってしまいました。
さて、このごろの文章はどちらを向いているのか。
これも時間が経ち、振り返れば、
なるほどこの方向を向いていたのかとなるのでしょう。

 海水浴気持ちいいのは足湯かな

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 ゴキブリが空き缶ぺろぺろ舐めてをり

このごろ思うのは、
汗がレモン水ならなぁということ。
ソーダ水でもいいか。
そうすれば、のどが渇いたときなど、
ぺろっと舐めて渇きを遣り過ごし、
しばらく持たせられそうですし…。
汗って、掻きはじめはいいのですが、
あとで蝿取り紙のあのいや〜な粘りの感触に
似てきます。
蝿が少なくなって、
蝿取り紙も見なくなりましたが、
子どもの頃、はしゃぎ回っているうちに、
首の辺りに蝿取り紙がべた〜とくっつくと、
なんとも言えず気持ち悪くなったものです。
汗の感触はアレを思い出させます。

 触覚が手旗信号ゴキブリ君

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旅の哀しみ

 竹林の笑ひ涼しき雲見かな

『男はつらいよ』で浅丘ルリ子演じるリリーさんと
寅さんが浜辺で語り合う場面があります。
有名な「寅次郎忘れな草」の一節。
リリーさんは旅から旅への歌い手で、
寅さんから「ちょいとした俺だね」
なんて冷やかされたりもします。
リリー「兄さんなんかそんなことないかな…。
夜汽車に乗ってさ、外見てるだろ、そうすっと、
何もない真っ暗な畑なんかにひとつポツンと灯りが
ついてて、
あー、こういうところにも人が住んでるんだろうなぁー、
そう思ったらなんだか急に悲しくなっちゃって、
涙が出そうになる時ってないかい?」
寅「うん…。こんなちっちゃな灯りが、
こう…遠くの方へスーッと遠ざかって行ってなぁー…
あの灯りの下は茶の間かな、
もうおそいから子供達は寝ちまって、
父ちゃんと母ちゃんがふたぁりで、
湿気た煎餅でも食いながら紡績工場に働きに行った
娘のことを話してるんだ、心配して…。
ふっ…、暗い外見てそんなことを考えてると汽笛が
ボーっと聞こえてよ。なんだか、ふっ!…っと、
涙が出ちまうなんて、そんなこたぁあるなあ…分かるよ…」
(引用は、バリ在住十九年の画家・吉川孝昭さんのサイト
男はつらいよ 覚え書ノート」からのコピペ。わたしは
このサイトのおかげでますます『男はつらいよ』が
好きになりました)
そういう、それこそ不意に襲ってくる哀しみは、
旅をしたことのある人ならだれでも、
(長旅でなくても、例えば帰省の列車の中でも)
感じるものではないでしょうか。
寅さんはフーテン、リリーさんは旅芸人ですが、
職業とは別に、旅の哀しさ切なさが人生を想わせ、
万人に共通するものだから、
多くの人々の共感を呼ぶのでしょう。
二人のこの場面、わたしは最高に好きです。

 オレ食ふなアレを食へよと蚊を払ふ

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伊豆旅行

 叔父と来て迷子の夏の淡きかな
ご近所のクルマに同乗させてもらい、
伊豆半島を廻ってきました。
沼津港に程近い市場の活気がうれしく、
そこのお寿司屋さんでいただいたネタの新鮮さは、
格別。
また、修善寺近くの蕎麦屋「やまびこ」でいただいた
蕎麦と天ぷらは、
水質からか、さっぱりと口当たりがよく、
消化にも良さそうでした。
山の天気は変わりやすく、
センターラインだけがぼーっと浮かぶ時間も
ありましたが、二日にわたり概ね天候にも恵まれ、
おかげさまで愉しい旅を満喫できました。
堂ヶ島天窓洞遊歩道から見下ろす海は
コバルトブルーに輝き、しばし時を忘れさせてくれます。
遊歩道の途中にぼっかり大きな穴が開いており、
天井から雫が垂れ、紺碧の海に吸い込まれそうになります。
スカイラインには入りませんでしたが、
帰宅後、秋田の父からの電話で、
四十七年前、出稼ぎでそこを訪れ、
スカイラインをつくる工事に母ともども参加し、
寝泊りしながら仕事をしたことを聞かされ、
父もあの山の空気を吸い、富士を見たことであったかと、
感慨も一入。
kuhさん、まるちゃん、ひかりちゃん、りなちゃん、
ありがとうございました。
 雲走る砂浜人も翳り行く

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いぶりがっこ、てか

 明けてのち本格的な梅雨来る
中学・高校の後輩で、
日本生命に勤務する遠藤勇人さんの紹介で、
サントリーに長く勤められ、
現在流通科学大学で教鞭をとられている
金田肇先生にお目にかかり、
お二人にすっかりご馳走になった。
お二人ともご縁を大事にされる方で、
肩肘張らないお話に魅了され、
わたしも仕事の話などを気持ちよくさせていただいた。
途中、金田先生のかつての部下で
サントリービア&スピリッツ株式会社に勤務する
戸塚智子さんも加わり自ずと会話がヒートアップ、
時のたつのを忘れた。
ベイシェラトンホテルの3階「彩龍」を出、
同じ階にある「ベイ・ウエスト」へ。
そこでいただいたLAPHROAIGという
スコッチウイスキーには唸った。
(だって、秋田のいぶりがっこの香りと味に
そっくりなんだもの。
遠藤さんが“これ好き!”というのも頷けた。
わたしも一発で嵌った)
サントリーのホームページを覗くと、
「好きになるか、嫌いになるか。
 一度で覚える強烈なピートの香り際立つ、
 アイラモルトの王者“ラフロイグ”」とある。
ピートというのは、スコットランド北部の原野に育つ
野草や水生植物が炭化した泥炭とのこと。
ピートの煙で麦芽を乾燥させ、
そのいぶした香りが麦芽につくことによって、
独特の香りが生まれるらしい。
いぶすところが秋田のいぶりがっこと共通している。
 うらめしや空を見上げて浴衣かな

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書評とネット書店

 蛍火や池を照らして身を隠す
たとえばアマゾンで書名を検索すると、
売り上げランキングが表示されます。
新聞や雑誌に書評が出れば、それが上昇します。
すぐのこともあり、
数日経ってからの場合もあります。
いずれにしろ、書評が出ることと
ネット書店での販売部数は相関関係にありそうです。
皆さん忙しいから、
書評を見て面白そうだなとなったら、
町の本屋へ行くよりもネット書店で注文するのでしょう。
たまに、どうして急にランキングが上昇したのだろうと
訝しく思っていると、後で
何らかの媒体に書評が出ていたことを知ることもあります。
 蟇(ひきがえる)水面すれすれ泳ぎ去り

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