もらい泣き

 天からの滴り受けし十周年
23日土曜日の十周年パーティーが終わって
ケータイ電話を見たら、父からの着信があった。
が、社を出たとき
時計の針はすでに10時を廻っていたから、
その日電話をするのは控えた。
なにしろ夜の8時には床に就くひとたちなのだ。
明けて日曜日、
さっそく秋田へ電話を入れた。
電話口に出た父に、前日の模様をなるべく詳しく説明した。
父は合いの手も挟まずに、ただ、
ふんふん、ふんふんと聞いているばかりだった。
最後に、「とにかく無事に終わってよかったな」と言った。
昨日、わたしは遠路はるばるお越しくださった町長に
父からもお礼を言ってほしい旨を伝えたくて、
朝、ふたたび電話をした。
今度は母が出た。
母が言うことには、
パーティーの様子を母に伝えながら父は、
よほど嬉しかったのか、
感極まって、話の途中でワッと泣き出したそうだ。
すると、今度はそれが母にうつり、
母までもらい泣きをして、
ふたりで、おいおい泣いたというのだ。
その話を母から聞き、初めは大笑いしたのだが、
そのうちに、わたしまで目頭が熱くなってきた。
どうにも涙もろい一族です。
 ことことと十周年の春が行く

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