もっと大きな世界

 うたた寝のページはらりと初夏の風
いきなりですが、
これまで読んだ本の中で
忘れられないものが二つあります。
新井奥邃の『奥邃廣録』と中里介山の『大菩薩峠』です。
いろんなところで、しゃべってきましたし
この日記にもずいぶん書きました。
ところで、この二つに共通するものは何かなぁ
って、考えてみたんですね。
いままでそんな風に考えたことがなかったものですから。
奥邃はキリスト教だし、
介山は「人間界の諸相を曲尽して、大乗遊戯の境に参入するカルマ曼陀羅の面影を大凡下の筆にうつし見んとする」なんて、
なんだかとっても難しそうなことをいっていますが、
大乗だとか曼陀羅なんてつかっていますから、
仏教的なにおいがします。
この二つの本、かなり離れている、というか、
全然別物なのに、読んだとき
「もっと大きな世界」に触れた実感があった
ということでは共通しています。
これは、すごいことだと思うんですね。
自分の肉袋から這い出て、
せかいはでっけーなあって思える
というか実感する、体感することって、
そうそうありませんから。
わたしの場合は、それがこの二つでした。
 ビル上階汗がぶつかる気功かな

4a15d78b9de66-090516_2113~0001.jpg