二人の剣士

 老狸緑拝みて斃れしか
テレビをつけたら、
ジャイアンツの小笠原道大(みちひろ)選手が
特集されていました。
千葉県の暁星国際高校からNTT関東を経、
1996年ドラフト3位で日本ハムファイターズに入団。
天才打者として鳴り物入りでプロ野球界に登場し、
その後もメジャーリーグで華々しい活躍を
見せてくれているイチロー選手とは対照的に、
学生時代は目立たず、その後、社会人野球に転じ、
プロ野球選手になってからも、初めは、
目立った成績を残せなかったのだとか。
天才肌というより、愚直なぐらいの努力、努力の人です。
(もちろんイチローも、人一倍努力の人です)
バットを持ったときの小笠原の目つき顔つきを見てください。
あれはアスリートの顔ではなく、
剣士の顔ではないでしょうか。
特集番組の中で、
かれが何度か口にした言葉がありました。
それは、「中途半端だけは嫌ですから」。
野球の練習で、トスバッティングというのがあります。
選手のそば2、3メートルぐらいから助手がボールをトスして
フォームを整えゆっくりとボールを打ちます。
小笠原選手は、ボール半分ずれてもバットを振らない。
たかがトスバッティングとはいえ、
小笠原選手にとっては真剣勝負そのもの。
「やっていないことはできませんから」という言葉も
印象に残りました。
ふだん世話になっている助手やトレーナーの方々に
よく声をかけ、ご馳走するそうです。
小笠原選手の練習スタイルを見ると、
それもまたなるほどと頷ける話でした。
 石投げてアブラハヤ追ふ釣り師かな

4a09f02bd6797-090504_1824~0002.jpg