人生の営業マン

 春陰を天の口笛払ひけり
 『男はつらいよ』のDVD全48作を貸してくださる方がいまして、気の向くまま、好きなときに適当な巻を選び出して見るのがこの頃の楽しみです。
 きのうは、竹下景子さんが登場するシリーズ後半での傑作の誉れ高い第32作「口笛を吹く寅次郎」(1983年)。
 妹さくらの夫・博の亡父の三回忌で備中を訪れた寅次郎でしたが、ひょんなことから寺の和尚と娘の「口笛を朋子(竹下景子さん)と意気投合、二日酔いで腰が立たない和尚の代わりに法事をこなし、朋子に惹かれる寅次郎がそのまま寺に居ついてしまうという筋書き。
 第1作が1969年ですから、すでに14年経っています。寅さんも年取るわけだ。
 竹下景子さん、こんなに綺麗で魅力的だったんですねぇ。
 どの回もマドンナ役として、いわば旬の女優さんが登場しますが、山田監督はその魅力を最大限引き出しているのでしょう。
 しかも「口笛を〜」は、寅さんはもちろん「ほ」の字ですが、竹下景子さんに惚れられるというなんとも羨ましい話。
 婿養子として寺に入ることも考える寅でしたが、そんな簡単に坊さんになれるわけもなく、せっかく惚れられているのに、身を引かなければいけないという、本当に、男はつらいです。
 アスファルト破れ雑誌に桜舞う

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