十年ぶり

 ブリッコの一粒ごとの帰省かな
 福村出版の宮下基幸さん来社。仕事で横浜国大へ行った帰りに寄ってくれた。
 宮下さんは、以前わたしが勤めていた出版社の同僚。会社の倒産を機にフリーの編集者として仕事をし、縁あって明石書店に入社、さらに明石書店の傘下に入った福村出版をまかされ、現在は取締役。育ちが良く、責任感の強い人柄を見こまれての抜擢だったのだろう。
 横浜駅で、わたしは横須賀線下り、彼は湘南新宿ライン上りで同じホーム。
 わたしの乗る電車が数分早く到着したので、握手をして電車に乗りこんだ。なだれ込んで来る人でごった返し、宮下さんの姿は間もなく見えなくなったが、ドアが閉まり発車するとき、ひょいと見たら、彼は伸び上がって手を上げ、また頭を下げた。宮下さんだなーと、嬉しくなった。
 焼いで良し煮で良し鮨良し神の魚

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