片付け

 飯(いひ)焚けてかほり目覚まし冬の朝
 十二月も半ばになりました。大掃除は最終日ですが、少し時間の空いたときに、机の周りをちょこちょこ片付けています。重ねた文書を1枚1枚確認しながら細かく千切って捨てますが、つい読みふけってしまうものもあります。時間を置いて読むせいか、はじめての時とは違った味わいがあります。
 電話が途切れ、静かな社内にゴーーーーーと、唸るような音が低く流れています。武家屋敷が不要になった書類をシュレッターに掛けている音でした。
 真剣な面持ちの彼女のすぐそばに、サンタクロースを彷彿とさせる大きな袋が出来ていました。中身はプレゼントではなく、細かく砕かれた紙ゴミの山。
 今日は小社の忘年会です。千成のかっちゃんが腕をふるってくれることでしょう。
 飯(いひ)焚けてありし祖父母の冬となり

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