冬の雨枯葉の上の星一つ
長岡出張の折、松田先生の案内でラーメン屋に入ったら、なんとも言えない香ばしいダシの香りが鼻を突いた。
むむっ、これは、と思って先生お薦めの塩チャーシュー麺を頼んだのだが、久しぶりに具でごまかさないシンプルで美味しいラーメンを堪能。聞けば、ご主人、ラーメン好きが嵩じて店を出したのだとか。
次に先生が案内してくださった酒造会社のショップに焼きアゴ(トビウオ)が売っていて、ピーンと来た。来てしまった。来たーーーーー!! っと。 失礼。ピーンと来ました。あのラーメンのダシは、これに違いない。間違いない!!(古)そこでわたしは、迷わず焼きアゴを一袋購入。
さて、このあいだの日曜日、また例によって、ひかりなちゃんに手伝ってもらい、初めての塩ラーメンに挑戦した。
基本となる濃い口スープは、豚の肩ロース、塩を抜いた台湾製のメンマ、生椎茸、ニンニク、生姜ベースだが、薄口スープに今回、焼きアゴ、鰯の煮干し、ホタテの貝柱、アミの塩付け、それに日高昆布を投入。そうしたら、そうしたら、トゥゲザーしちゃった!! あはははは…
下の写真をご覧ください。試食ターイムのこのひかりなちゃんの食べっぷりが何よりも、初の塩ラーメンが上手くいったことを物語っている。
塩ラーメンなわけだが、肉系濃い口スープ・ミーツ・魚介系薄口スープで、トゥゲザーしちゃっているので、ネーミングは、塩ラーメンならぬ潮ラーメンにしようかと。
ふゆがれやかさかさかさかさりなのかさ
アゴ煮干しホタテ師走の潮ラーメン
「よもやま日記」の読者10万人の皆様こんにちは、ってか。あははは…。
冗談はさておき、どこで読んでくれている人がいるか分かりません。ありがたいことです。
マンションの理事会があり、他の理事たち2名と管理会社のO氏が集まりました。ひとしきり、議題について話し合った後で、O氏がこの日記のことを話題にしたので、つい調子に乗ってぺらぺらしゃべりました。病院に検査に行った折、看護婦に、ビーチサンダル履きの臭い足を嗅がせて遊んだ話や、オランダで活躍しているサトシ・レイ・バンドの話、高校教師時代の話など、かつてこの日記に書いたことです。いろいろ話しているうちに、ほかの理事さんたちからも、普段聞けない話を聞くことができ、楽しい時間でした。
一軒置いて隣りのFさんがわたしと同郷で、二胡の奏者だというのにも驚きました。
ところでO氏、先日ここにも記しましたが、その後、最善の対応をしてくれ、今できることはすべて為し終えたと、O氏もわたしも考えていたのに、ドアの上がまた2センチほど歪んできたことを伝えたら、O氏、じっと黙り、そのうち小っちゃい目にうっすら涙が浮かんできました。危うく、わたしももらい泣きしそうに。悔しかったんでしょうねぇ。わたしも悔しい。仕事でも、そのときどきのありったけで向かえば、悔しがるほど本気になることもあります。
O氏、ジャズが好きなのだとか。今度お気に入りのCDを持って遊びに来なよって誘いました。
塩ラーメン湯気立て窓の結露かな
酒を賭け寒中水泳若き祖父
待ちに待った忘年会、於千成。忘年会のために働いているような今日この頃。写真家の橋本さんを交え24ナベを囲みました。多聞君は北海道へ出張で参加できず。年年、ナベの具材が増え、昨年は23種類入っていて、もうこれ以上は無理だろうと思ったら、今年はさらに一品増え24。このまま増えつづけたら、一品ずつでも十年後には34。想像するだけでも愉しくなってきます。かっちゃん、ママさん、ありがとう。刺身もナベもカニも鮎もニラも、うめかったよー!!
マスク手洗いうがい励行!父ケータイ
飯(いひ)焚けてかほり目覚まし冬の朝
十二月も半ばになりました。大掃除は最終日ですが、少し時間の空いたときに、机の周りをちょこちょこ片付けています。重ねた文書を1枚1枚確認しながら細かく千切って捨てますが、つい読みふけってしまうものもあります。時間を置いて読むせいか、はじめての時とは違った味わいがあります。
電話が途切れ、静かな社内にゴーーーーーと、唸るような音が低く流れています。武家屋敷が不要になった書類をシュレッターに掛けている音でした。
真剣な面持ちの彼女のすぐそばに、サンタクロースを彷彿とさせる大きな袋が出来ていました。中身はプレゼントではなく、細かく砕かれた紙ゴミの山。
今日は小社の忘年会です。千成のかっちゃんが腕をふるってくれることでしょう。
飯(いひ)焚けてありし祖父母の冬となり
ナマ脚や寒さ我慢の通学路
生き様ということばがあります。わたしは、このことばが嫌いです。「生き様をさらす」の用法があり、いいところも悪いところも包み隠さず、全身全霊をささげて生きる、みたいなことのようですが、露悪的なニュアンスがどうも好きになれません。
隠れて犯罪は困りますが、静かに見れば誰よりも自分がいちばん気づいている悪いところは、さらすなどもってのほか、なるべく人目に付かぬように、包み隠して生きたいと思います。
風吹けば冷たさ超えて耳痛し
冬の子ら嬉し恥ずかしフリマかな
先日、近所の小学校の運動場で、子供たちによるフリーマーケットが開催されるというので、見に行ってきました。ひかりちゃん、りなちゃんも、ビニールシートを敷き、友達と一緒に店を広げていました。
見て廻っているだけで、なんだか楽しくなってきます。50円、100円の値段が付いているものもなかにはありますが、ほとんどは10円。
店仕舞いが近くなった頃、あちこちで、「安くしておきますよ。安くしておきますよ」「安いですよ。安いですよ」「買いませんか。買いませんか」の掛け声。
ちっちゃいディズニーのコーヒーカップを2個、10円で買いました。
ひかりちゃんからコロッケをもらいました。豚汁もひとくち。
昭和よりタイムマシンか紙芝居
初雪や景を融かして降り積もり
マーティン・スコセッシ監督の『シャイン・ア・ライト』を観に川崎へ。ローリング・ストーンズのコンサートのドキュメンタリー映画で、音も映像も楽しめた。客の入りは半分ほど。
ミック・ジャガーを始め、四人とも齢六十を超えているというのに、あの体型と躍動感には驚かされた。途中参加したバディ・ガイは渋く、クリスティーナ・アギレラは声量たっぷり、歌も上手い。舞台でも平気で煙草を吸っているキース・リチャーズが最後にへたばっている姿は笑え、年齢を感じさせたのはそこぐらい。
寒天の子らやくるくるフリマかな