書く時代

 ちろちろと宴の後の花万朶
 パソコンやケータイが普及して何が一番変わったかといえば、だれもかれも書くようになったことではないか。正確に言えば、書くというよりも、打つ、押す、だが。
 こんなに文を書く時代は、人類始まって以来のことだろう。メールのことを思えば、世界中の人が毎日だれかに手紙を出しているようなものだ。
 野口英世の母のただたどしい手紙が有名だが、生涯にたった一通の手紙しか書かなかった人もかつては大勢いたはずだ。
 わたしも1日何度かメールする。電話より手っ取り早いことだってあるし、短い言葉でも、より親密度が高い気もする。安心かな〜。安心でもないか。
 とにかく、言葉にならぬ前の体というか心というか、言葉以前の状態にとどまっていることが少なくなって、体と心は、通り一遍のユニフォームを着せられているみたいな感じ。自分でつむいでつくった服なのに…。
 交番へ尋ねる道の花万朶

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