晴れの日は

 先週金曜日、仕事の打ち合わせで千駄木まで行ってきた。東京駅で横須賀線の電車を降り、大手町まで歩き、千代田線に乗った。約束の時刻までだいぶ間があったから、駅の近くのカレー屋に入って昼食をとることに。小さな店構えながら何やら美味しそうなオーラを発していたので、迷わずに重いドアを開けた。少々暗めの店内はちょっぴり怪しげでますます期待はふくらむ。きびきびしたウェイターが持ってきたメニューを睨み、チキンカレーセットをたのむ。ほどなく運ばれてきたカレーを一口ほおばるや、思わず「うまい!」と叫んでいた。隣のテーブルにいた顔も髪型も内藤やす子似の客が振り向いてわたしを見た。
 食後に出てきたチャイの甘さ、濃さもほどよく、仕事の打ち合わせが滞りなく運んだのはカレーによるところ大だった気がする。
 さて、あんまりうまかったので、一日置いて日曜日、カレーを食べに保土ヶ谷から千駄木まで出向いた。見よ、この元気! 中年とは思えない。そうしたら、前前日にはいなかった利発そうな美人の若いウェイトレスがにこやかに迎えてくれた。ほの暗い店内がパッと明るくなり、フローラルブーケな香りがした、気がした。聞けば、カトマンズ出身で日本に来て一年半になるのだという。目から鼻に抜けるような彼女の一言一句、しぐさの一つ一つが濃厚なチャイみたいで、久しぶりに元気に話している自分に気がついた。恋みたい。まことに、出会いによってひとは生かされる。(クサ)
 今日、知人からメールが届き、応援してますの言葉に胸が熱くなった。夜は小料理千成でいつもの美味しい食事。カウンターにいたおばさん三人連れが話しかけてくる。何ということのない話でも、言葉を交わすことが一日の疲れを癒してくれる。店を出た後、一号線沿いのスナックでカラオケを歌って変えるのが習いとか。
 元気でいこうと思った。

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