瞑想

 専務イシバシから借りた五木寛之と望月勇の対談集『気の発見』がおもしろかったので、望月さんの単著『いのちの力』も読んでみた。対談でエピソードとして語ったことの背景がわかって興味深く、こちらも一気に読了。望月さんはロンドン在住の気功家。
 『いのちの力』のなかに、こんな話が紹介されていた。瞑想することが難しいという弟子に師匠が、それなら瞑想は要らぬ、ところでお前の好きなものは何か、と質問。弟子は、田舎に残してきた子牛がたいそう好きです、と答えた。師匠は、では、その牛のことを思い浮かべなさい、と告げた。数日経っても弟子が部屋から出てこないので、おかしいと思った師匠が部屋の外から声をかけると、角がつかえて部屋から出られません…、好きな子牛のことを思っているうちに、弟子は、いつしか子牛そのものになっていたという話。
 瞑想というと何やら難しそうだが、好きなものを思い浮かべることから始めてはと望月さんは勧めている。