あきらめない

 メイクアップアーティスト、ヘアメイクアップアーティストとして活躍中のIKKOさんが心に傷を持つ十代の子供たちと語り合うという番組をテレビでやっていた。IKKOさんが静かに語りかけても、子供たちはなかなか心を開かない。IKKOさんは一計を案じ、いっしょに食事を作ることに。その頃から、まだ言葉は出ないが、子供たちの表情がだんだん和らいでくる。車座になって食事をしながらIKKOさんは自分のつらかった思い出を問わずがたりに語り出す。話し終えると、ぽつりぽつりと子供たちから質問が出るようになった。最後にIKKOさんは自分の好きな歌である山本リンダの「どうにもとまらない」をゆっくりしたリズムにのせて歌った。カッコいい! テレビを見ながら、思わずジーンとなった。♪うわさを信じちゃいけないよ わたしの心はうぶなのさ、と始まるノリノリのかつての名曲が、IKKOさんによって新しいいのちを吹き込まれ、子供たちの心に染み込んでいくようだった。あきらめないで、が、IKKOさんの子供たちへの応援メッセージだった。