大規模修繕

 14世帯しか入っていない小さなマンションのため、管理組合の役割分担がすぐに回ってくる。昨年が会計で、今年は副理事長。きのうは理事会。懸案の大規模修繕についての話し合いが行われた。
 これまで3社から見積りを取って総会でも検討したが、検討するといっても、住民は誰もそっち方面にかけてはずぶの素人。例えば、タイルの張り替え必要枚数が1社は2000枚を超えているのに、他社は800枚などの違いがある。だから、トータルで値段の安い業者に頼もう、とはなかなかいかない。では、どうするか。ということで、第三者機関に建物を診断してもらう必要があろうじゃないかということになった。
 きのうは、修繕の設計を専門にしている業者の方に来ていただき、説明を聞いた。いろいろ説明があった中で特に目からウロコだったのは、素人集団(われわれ住民のこと)が何社から見積書を徴収しても役に立たないということ。なぜなら、上のタイルの例でも分かるとおり、見立てがそれぞれバラバラだから。必要なのは、設計図書(設計図・仕様書・参考数量)を提示し、業者の見積り条件を同一にすること。スタートラインを一定にしなければ見積書を比較しても意味がない。というか、テーブルの上に見積書を並べることはできても比較検討はできない。なるほど。そりゃそうだ。要するに、勝手でいい加減な見積りを出させないためのシバリとして、綿密な設計図書を提示し、それに基づいて業者に見積らせる。ちなみに、次の大規模修繕の時にも生かせるカルテとして、ちゃんとした設計図書を作成するのには3〜4か月かかるという。
 小さいマンションながら大規模修繕となれば、1000万を超える額の経費が必要となる。カネの使い道を間違えないように注意しなければならない。