折り畳み傘

 昨日も今日も雨模様。気温がそんなに上がらないので、しのぎやすい。このごろ折り畳み傘を愛用している。たたむとカバンにすっぽり入るので、どこかに忘れる心配がない。子供の頃から、とにかく傘を何十本忘れたか分からない。忘れないために何か画期的な方法はないものか。ということで、イギリス製の高価な傘を買ったことがあった。いくら忘れっぽいわたしでも、これならいつでも意識が傘に向かい、忘れることはないだろうと思った。高価なものだったので、雨が降ってもその傘をなかなか使う気になれずにビニール傘を使っていた。意味がなかった。
 その傘を初めて使ったのは、会社の飲み会があった時で、忘れもしない。桜木町にある今もある(だろう)洋風居酒屋風の店。仲間と一緒に楽しく飲んで、やがてお開き。勘定を済ませ傘立てを見たら、わたしの傘がない。店のひとに不満をぶちまけるわけにもいかなかった。誰かが間違えて持っていったのか、意図的に持っていったのかは分からない。悔やんでも悔やみきれなかった。以来、高価な傘を持ち歩くことはなくなった。
 重宝している折り畳み傘だが、難点がないわけではない。こまめに乾かさなければならないし、使っているうちに折り目がだんだん曖昧になり、たたむのがちょっと面倒臭い。