学習に関する座談会

 ラーニング・ボックスについて、体験者の方たちに集まっていただき、座談会を開いた。
知的障害児のためのラーニング・ボックス学習法』という本を、すでに小社から出しているが、実際にラーニング・ボックスによる学習を体験された子供の親御さんから聞く話に、ラーニング・ボックスがいかに子供たちの内発的な学習意欲を刺激し学習能力を育てるものであるかということ、また、改めて親の凄さを感ぜずにはいられなかった。
 ラーニング・ボックス学習法というのは、前にもこの欄で書いたとおり、ひとことで言えば、自学自習のシステム。それは、いわゆる知的障害をもつ子供のために横浜児童文化研究所が長い時間をかけ研究開発してきたもので、書名に『知的障害児のための〜』と角書きが付いてはいるが、すべてのひとにとって学習する、学ぶとは何かの根本に迫る内容を有するものであることが、今回の座談会で浮き彫りになったと思う。
 あるお母さんが言われた。「あなたのお子さんは○○の障害があります」と医者から告げられた瞬間、親はどん底に突き落とされたように感じるものです…。いろいろな方法を試み、わが子の成長のために時間とカネをかけ、情報を収集し、藁にもすがる気持ちでやっとラーニング・ボックスに辿り着いた経緯が縷々話された。全国の同じ立場にいる方たちにとって福音になるような本を作りたい。