ヒディンク・マジック

 いよいよ本日、サッカー・ワールドカップ日本対オーストラリア戦。
 現地での盛り上がりが連日報道され、スポーツキャスターやコメンテイターが得点を予想する。日本チームは練習を公開しているのに、ヒディンク監督率いるオーストラリアチームは報道管制を敷き、どんな練習をしているのか分からない。そこまでする必要があるのかとも思う。
 そのヒディンク監督が、対戦相手の日本チームに対するコメントを求められ、「ブラジルと同じように、クリエイティブなチーム」と評した。対戦チームの監督からクリエイティブなんて褒められたら、こんなに嬉しいことはないけれど、そこは歴戦の名将として知られるヒディンク、本心そう思っているのか、いくらかリップサービスもあるのか、定かではない。が、サッカーのチームを称してクリエイティブと言ったところが面白いと思ったのだ。
 それは、わたしがサッカーをよく知らないからだとは思う。しかし、これまで、たとえば前回のワールドカップでも、どこかのチームを評してクリエイティブという表現がされたことがあったろうか。だから、とても新鮮に響いた。
 ほかのスポーツ同様、サッカーも選手がやるもので監督がプレーするわけではない。しかし、監督が第一と考え身に染みていることは、いろいろな場面で選手たちに感染していくことは間違いないだろう。ヒディンク監督が日本チームを「ブラジルと同じようにクリエイティブ」と評したということは、実は、オーストラリアをクリエイティブなチームにすべく、これまで育ててきたということを逆に証しするものではないか。ヒディンク・マジックというようなことがあるとすれば、そのあたりに秘密が隠されているようだ。
 日本に勝ってほしいのはもちろんだけれど、どんな戦いぶりになるのか、楽しみだ。