著者校正

 著者からまず原稿をいただく。手書きの場合もあれば、最近はフロッピー、メールに添付されて送られてくることも多くなった。
 こちらで入力し組んだのち校正・校閲、気になる箇所に鉛筆で書きこむ。直しを入れる。ボールペンやサインペンでなく鉛筆で行なうのは、著者が見て、必要ないと思われる直しは消しゴムで簡単に消すことができ、ゲラが汚れないからだ。ゲラを通じてのコミュニケーションによって著者と編集者の関係がつちかわれる。著者は、編集者が原稿のどこに手を入れたのかが分かるし、編集者は、著者から帰ってきたゲラを読み、初校を読んだ時点では気づかなかった著者の隠された意向が分かることもある。間接的ではあるけれど、静かで緊張を伴うやりとりによって編集者の腕が磨かれ、著者との関係も築かれる。ここのところが相当スリリング。