サンバの国から

 長岡から、大学の留学生センターで教えている先生が来社され、日本にいる(来る)ブラジル人が日本で暮らすのに便利な、役に立つ本をイラスト入りで作ることになった。日本人によるブラジル人のブラジル人のための本。
 日本には、およそ三十万人のブラジル人がいる。けっこうな数だ。全員買ったら三十万部の大ベストセラー。十人に一人の割合で買ってくれても三万部。百人に一人の割合でも三千部(だんだん気弱)。ともかく、ブラジル人が見て、「ん! この本おもしろそう」と言って、手に取ってくれることが大事だ。
 先生の話によれば、日本で働くブラジル人の多くは、リオデジャネイロなど大都市ではなく、アマゾン川流域出身だという。北上川でなくアマゾン川を見ながら育った人々の目に、今の日本はどう映っているのだろう。深いところを知りたい。想像の羽を伸ばしながら、痒いところに手が届くような本に仕上げなければならない。