ライフスタイル・ウォーキング

 自宅から会社まで歩くようになったことがきっかけで、「歩く」「散歩」「ウォーキング」に興味を持ち始めたら、ちょうどタイミングよく『医師がすすめるウォーキング』(集英社新書)という本が出ていて一気に読んだ。著者は泉嗣彦さんという方で、データをあげつつ、歩くことがいかに体と健康にいいかを実証的に説いている。そんなにいいウォーキングだから、一時的なものに終わらせず、ライフスタイルに組み込むことが重要とも。
 ところで、本に書いてあることで「へぇ〜」と思ったのは、昔の日本人が平均3万歩ぐらい歩いていたということ。それに比べ今の日本人は5千歩ぐらいとか。約6分の1。言われてみれば、そうかもなぁと思う。
 たとえばわたしが小学校時代、送迎バスなどという気の利いたものはなく、雨が降っても風が吹いても、上級生を先頭に二列に並び、学校までひたすら歩いたものだ。集団登校。ああいう姿を写真に撮っておいたらおもしろかったろうなぁ。片道1万歩×2で2万歩。それに子供にとっては遊びが仕事で、それに費やすのが約1万歩。合計3万歩。なるほど、納得できる数字だ。たしかに、あの頃は子供だけでなく大人もよく歩いていた。昔は、都会の人よりも田舎の人のほうが歩いていたのじゃなかろうか。今はどうか。どこへ行くにも車、車で、むしろ田舎の人のほうが歩かなくなっているかもしれない。
 ちなみに著者の泉さん、プロフィールに一九四三年生まれとある。熊本の田舎育ちで、歩くことに抵抗がないばかりか、景色を見ながら歩くことが元々お好きな人のようだ。