アジアンテイストなお店

 久しぶりに多聞君のお店に行ってきた。多聞君はいまバンガロール。お店はお母様が切り盛りしている。一つ一つ可愛いグッズや変わったデザインのTシャツなど衣類も豊富で、見ていて飽きないし、居るだけで落ちつく。
 自宅で会社を始めた頃は毎日のようにお邪魔して、お茶をご馳走になっていた。多聞君ともその頃出会い、打ち解けて話しているうちに、本を作ってみない? 作ろう! ということで、『インド・まるごと多聞典』ができた。詩人の谷川俊太郎さんとの縁も、この本から。春風社は今月で六周年、来月から七期目。刊行点数がいつのまにか百六十点余りになっている。そのうち三十点ほどが多聞君のデザインによるもの。六年前、ショーウィンドウに飾られた木彫りのガネーシャに魅せられお店に入ったのがそもそもの縁。縁が少しずつ展開し、それを見定め、ゆっくりじっくり後から付いて行くのがなんとも楽しい。ジェットコースターみたいな激しい興奮でなく、霧が晴れ、森が静かに緑に色づいていくような勇気と元気が湧いてくる。
 四時ごろお邪魔して、さてそろそろ帰ろうかなと腰を上げたら、時計はすでに九時を回っていた。茶と黄色のTシャツを買った。1メートルだけ切ってもらった麻の布も。
 そうそう、『多聞典』を読んだことがキッカケでお店に来るようになったというお客さんがいて、話していたら、なんと県立図書館の方だった。県図と春風社は目と鼻の先。今度遊びに来てくださいとお誘いした。ほんと、おもしろいなぁ〜