桜満開

 小社が入っているビルの斜め前が県立青少年センターで、ゴミが飛ばぬようにシートでカバーし改装工事をしてきたが、それがようやく終りにちかづいたらしく、紅葉ヶ丘の風情によくマッチし落ちついた色の建物が姿をあらわした。今週になって気温が上がり、そんなに多くはないけれど、丘のあちこちに植えられた桜は満開。週末まで持つのかどうか、今が盛りと咲いている。歩道を歩いていると桜の花びらが散って、これはこれで眼を楽しませてくれるし、遠くに見えるランドマークタワーも、変化するはずがないのに、ほかの季節とは違って見えるから不思議だ。変化するはずがないと書いたが、そうとばかりもいえないか。人づてに聞いた話で記憶が定かではないが、ある寺の西塔の修復工事にあたった大工によれば、東塔とでは高さが1メートルほど違っている。千年たてば高さがちょうど同じになる…。ビルがそんな時間に耐えられるとも思えないが、木ほどではなくても、時間による変性は免れないだろう。季節によってランドマークの見え方が違うのは、周りの風景とこちらの気分によるとばかりは言えないようだ。