粗忽

 第2作『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』がとても面白く、友達から薦められたこともあって、ビデオを借りに、さっそく保土ヶ谷駅のTSUTAYAへ。最近、足が遠のいており、カードの期限が切れているかもしれず、いい機会だから更新手続きもしようと思いながら。
 ザッとまわって、すぐに目当てのものを見つけた。ビデオが2本、日本語吹き替え版1本、DVDが5本、DVDのほうが画像が綺麗だろうからということで、DVDの箱を1本引き抜き、裏の解説をチラと目で追い、レジのカウンターへ向かう。この時点で、わたしはまだ自分のあやまちに気付いていない。
 4人いるレジの係りの空いているところへ、DVDの箱をサッと出した。と、その女性、毅然たる態度で「箱でなく中身のほうを持ってきてください」と言った。
 「はい??」とわたし。
 「ですから、箱でなく、中身のほう」
 「あ、中身、中身ね。中身を観るんだからね」などと間の抜けたことを言いながら、空箱を持ち、さっきの場所へ引き返した。レジのおねえさんに言われるまで気付かなかった。このごろ借りていなかったからといって、あまりの間抜けさ、粗忽に、われながら驚いた。
 元の場所へ戻ってみたら、ビデオ2本、日本語吹き替え版1本、DVD5本、すべて空箱。他のを借りる手もあったが、機先を制され気が萎えたので、更新手続きもせずに外へ出た。歩きながら友達に、保土ヶ谷TSUTAYA「ブリジット・ジョーンズの日記」すべて貸し出し中。のメールを送る。第2作を観ておもしろいと思い、最初のも観たいと思った人が他にもいたのだろう。