3枚刃vs.4枚刃

 秋田生まれで餅肌のわたし(アハハハハ…)は、髭を剃ることにかけて、かなりのこだわりがある。
 シェーバーは、日本製のものから外国のものまでいろいろ試した結果、やはりブラウンが良かった。最近テレビのコマーシャルをとんと見なくなったが、街角でサラリーマンを捕まえてはジーッとやってもらって、トントン、はい、剃れましたねえ、というアレだ。
 が、ブラウンも含めシェーバー全般がわたしの肌に合わぬらしく、最近はもっぱらGilletteの3枚刃の剃刀を使っている。もう何年も。
 ところが、またまた最近、とは言っても去年だと思うが、他社から4枚刃の剃刀が出た。単純なわたしは、3枚刃よりは4枚刃だろうと単純に考え、さっそく買って試してみた。ら、ことはそれほど単純ではなかった。
 というのは、あくまでもわたしの個人的体験によればということだが、3枚刃にくらべ4枚刃のほうが、どうしても刃が並んでいる場所の面積が広くなる。3枚刃が5ミリあるとすれば、4枚刃はそれよりもちょっと広い。そのちょっとが実際問題おおきな違いとなって現れる。
 鼻の下でも顎のところでも割にフラットな箇所は、さすが4枚刃のほうが威力を発揮する。ところが、顔というのはご存知のようにフラットではない。デコボコしている。鼻と鼻の下の境界のところを剃る時において4枚刃は難渋する。ちょうど区画整理されていない不定形の田んぼに最新式のコンバインを入れるようなものだ。牛刀を以て鶏を割くたぐいかも知れぬ。
 数が多けりゃいいという、そんな単純なことではどうもない。