同感

 休日、出勤途中、有隣堂横浜ルミネ店に寄り、文庫やら雑誌やら単行本やらを手に取りぱらぱらめくっていたら、以下のような文章が目に飛び込んできた。少し長いが引用する。
 「相田みつをの詩は人気だよ、という人もいることだろう。たしかにそれは行分けのスタイルをとる。詩のかたちだ。ほとんどは二、三行の感想のようなもの。見る人が見えやすいように、行分けしたものだ。みんな疲れているので、頭をつかわなくてもいいものにとびつく。そんな現代人のためのことばだ。内容的にも表現のうえでも詩というほどのものではない。これが詩なら、むしろ読む人のほうがもっとじょうずに書けるのではないかと思われるようなもので、その点、安心できる。ことばに、個人の息づかいを感じるときの不安を、その「作品」はいささかも感じさせない。」
 呵呵大笑。有隣堂横浜ルミネ店の、その辺にいた客たちは、突然わたしが笑い出したので、変な人だとでも思ったのだろう、ササササ…と、わたしの傍から離れていった。
 荒川洋治『詩とことば』(岩波書店)さっそく買った。この毒舌! この笑い! 絶好調!!