ボヨヨン

 横浜児童文化研究所の先生たちと合同の忘年会。歌いに歌う。ひたすら歌う。
 わたしは、いつものようにサザン・オールスターズをはじめ色々歌ったのだが、ふと思い立ち、歌の本をパラパラめくった。すると、あった! ありました。遠藤賢司の「夢よ叫べ」。
 これまで歌ったことはないけれど、CDで何度か聴いてメロディーはだいたい知っているから、破れかぶれで入れてみる。歌っているうちに痒くなり悲しくなり、それから熱くなり、「本当はね 誰でも哀しくて 泣きたい夜だってあるよ」でぐっと来て、最後「そうさ そんな夢に負けるな友よ 夢よ叫べ」と声を張り上げたら、何かボヨヨンと変なものが出て、ある形をとった。
 楽しく、あっという間の3時間、お開きになってクルマで金沢文庫まで送っていただいたのだが、車中、どういったらいいか、自分であって自分でないみたいな妙な感覚を味わった。感情がザラつかず、いつになく安定。呼吸みたい、葬式みたい、と思った。息は吸って吐くのではなく、吐けば自然と外から新しい風が入ってくる。家に帰り、久しぶりに、ぐっすり眠った。