カリブマレイ

 小社装丁室の愛ちゃんが『狩撫麻礼作品集 カリブソング SIDE B』を貸してくれたので、一気に読む。そして思った。この作者、ボブ・マーレイがよほど好きなのだろう。ボブ・マーレイの生地ジャマイカはカリブ海に浮かぶ島、カリブのマーレーを漢字に当てはめ、狩撫麻礼。なるほど。書いてあったわけではないが、『オールド・ボーイ』(これは狩撫麻礼の別名義・土屋ガロンの作)『ハード・コア』『ライブ・オデッセイ』と続けて読んでくると、おそらくそうだろうと想像がつく。
 ふと思い付き、グーグルで「ボブ・マーレイ」を検索したらトップにあったのがこのサイト。ボブ・マーレイならコレという意味だろう、伝説のあの『ライブ!』を紹介している。そうだよなそうだよなと思いながら、学生の頃あのレコードに嵌ってしまい、それ以外の音が薄っぺらく感じたことを懐かしく思い出した。
 このサイト、管理者のあまのじゃくさんが気に入った曲を紹介しているのだが、なんとそこにアランパーソンズ・プロジェクトの『怪奇と幻想の物語』も取り上げられている。当時、あのレコードが欲しくて欲しくて、アメリカに注文し、半年以上掛かってやっと手にしたまでは良かったが、ジャケットが本来のものと違っていてガックシ。それはともかく、こんなに趣味の合う人も珍しい。ピンク・フロイド、イエス、タンジェリン・ドリーム(懐かしい!)、EL&P、キース・リチャーズ等々、ラインナップからいって、年齢も近いのではないか。
 わたしにアランパーソンズ・プロジェクトを教えてくれたのは、大学時代の友人。同じ歳なのに、彼は、ロックでもジャズでもクラシックでも自分の好みをはっきり持っていて、訊けば教えてくれるが、押しつけがましいところの全くない男だった。
 あまのじゃくさんの文章を読みながら、何十年ぶりかで(大げさか)彼のことを思い出した。もしや彼ではないかと思ったぐらい……おそらく違うだろうけど。彼、今どうしているだろう。