敗けない

 小社ホームページにコラム「腰振るアリゾナ」を書いてくれている旧友・久保田さん夫妻と、その友達で現在北京在住の堀さん来宅。たまにしか会えないわけだが、会ったとなれば、そこは昔からお互いを知った仲、すぐに意気投合。手料理のおでんで一杯やった。
 三人に会うといつも感じるのだが、とにかく若い。年齢に関係なく若さの秘密があるとしたら、それは、月並みだけれど、どんな状況になっても挫けず、腐らず、よっく見聞きし、人任せにせず自分で考え行動するということに尽きるだろう。三人にはそれがある。
 静かに話していても、聞いているうちに、うーんと唸ったり、さらさらと流れるせせらぎの音に耳を傾けるような、そんな気持ちにさせられるのだ。
 ロバート・フロストという詩人をぼくに教えてくれたのが堀さんだった。目の前に二つの道がある。片方は楽な道、他方は困難な道、でも、敢えて困難な道を選ぶことを書いた詩を、そのままでなく、堀さんが消化した(おそらくかつて感動して読んだのだろう)内容を静かに淡々と語ってくれた。十二年、いや、十三年も前のこと。ひどく落ち込んでいた時期だけに記憶も余計に鮮明だ。
 友達はいいものだ。