ブルースマンたちの格好良さ

 ここのところブルースばっかり(おっとイケねえ、原語に近くはブルーズだった)聴いているが、このオッさんたちの格好良さったらない!
 ハウリン・ウルフなんてオッさんは、まず、顔がデカい。ジャケットから、はみ出てるもん。そんでもって、あの声。名前の通り(!?)狼の声がハウリングを起こしているようなダミ声で、よくあれで声つぶさないかと思う。
 サン・ハウスってオッさんは、なかなか渋い。が、かつてドイツで演ったライブ映像というのを見たら、ブリキで出来たようなギターを、弾くと言うより、デカい指でバンバン叩くみたいな感じで、まるでチンパンジーが玩具で遊んでいるみたいだった。その感想を若頭ナイトウに言ったら、「サン・ハウスをつかまえて、チ、チンパンジーなんて、シャチョー、それは…」と絶句していたが。
 マディー・ウォーターズなら前から知っていてCDも持っている。タワーレコードでもらったブルーズの解説書によれば、マディー・ウォーターズがブルーズの表番長で、ハウリン・ウルフが裏番長なんだそうだ。
 表と裏の違いはあるが、この人も顔がデカい! 昨日も出社前にタワレコのブルーズのコーナーに寄った。マディー・ウォーターズの「エレクトリック・マド」というCDがあって、輸入盤と日本盤が出ていた。もちろん値段の安い輸入盤を買った。参考までに日本盤も手にとって裏のジャケットを見たら吹き出した。おらの声はデカいので、またまた、ほかのお客さんの顰蹙を買ってしまった。だって、あの写真見て、笑わない人がいたらお目にかかりたいぐらいの可笑しさなんだって。皆さん、CDショップに寄ったら絶対見てください。本当に笑えますから。
 この「エレクトリック・マド」というアルバムは、ブルーズに多大な影響を受けて登場したジミ・ヘンドリックスから、今度は逆に、ブルーズの大御所たるマディー・ウォーターズがジミ・ヘンドリックスの格好良さに痺れ、「おらもエレキを演るだ! 演りてえ!」って言ったかどうかは分からないが、どうも、そうやって出来たアルバムらしい。
 そんで、例の写真というのは、ジミ・ヘンドリックスばりに長い鉢巻(は、してなかったかなあ?)をしたりして、格好はもうジミ・ヘンドリックスそのもの、当人相当ご満悦(そういう表情をしている)らしいのだが、なにせ顔がデカい! 半端じゃなく、デカ過ぎ。黙って見ていられない。笑わずにいられない。
 笑い上戸の若頭ナイトウが見たら、涙流して笑うだろうなあ。
 ブルーズマンたちの個性の発揮は、ほんと、半端じゃない!