永遠のパワー

 仕事の打ち合わせで久しぶりに新宿へ行ってきた。待ち合わせの時刻より早く着いたので、天気はいいし風は気持ちいいし、ホームのベンチに専務イシバシと並んで座り、しばし、ぽっけー。
 イシバシ曰く、先日明治学院大学に行った折、先生とゼミ生に加わり色々思い付くまま話していたら、イシバシさんて、なんだかパワフルで面白い面白いって、とても誉められた、そんなにわたしってパワフルかしらねえ…。
 ああ、そりゃもう、あなたはパワフルだよ。パワフルに尽きる。パワフルオーラが全身から放たれているもん。そうね、この辺でニックネーム変えるか。専務イシバシ改め、トルマリンゆきこっての、どう? リングネームみたいでよくない?
 「あははははは…」
 「な、いいだろ!」
 「いい、いい!」
 「よし、じゃあ、そうしよう。トルマリンゆきこ、話は決まり。あははははは…。さっそく明日のよもやま日記に書くとしよう」
 「でも…」
 「なに?」
 「ホルマリンと間違われないかしら」
 「なに言ってんの、ますますいいじゃねえか。絶対に腐らない!」
 「変じゃない?」
 「変じゃねーよ。トルマリンゆきこ、仮に聞き間違えられてもホルマリンゆきこ、永遠のパワー!」
 だはは、だはは、だはははは…
 と、そうこうしているうちに、時間が迫り、ふたり何事もなかったかのようにサッと立ち上がり中村屋へ向かった。